モノが腐らないように働いてくれる防腐剤や殺菌剤。
食べ物だとワサビやシソ、梅干しに生姜、ネギ、お酢、お塩など制菌、殺菌してくれる食材って色々ありますね。
新鮮さが命の生魚。お寿司はお酢を使い、ワサビはつきもので、ガリも一役かってくれています。それらの食材は、お口に入れても問題ない制菌剤、防腐剤と言えます。
お化粧品にお酢やワサビ入れて防腐しようと実行したら、多分、お顔ヒリヒリ目はしみる~。
その前にお酢臭い素肌はちょっとね~。
そもそも
お化粧品になぜ防腐なるモノを混入しなければいけないのか?
保湿する成分や皮膚を活性化させる成分などは、私たちのお肌に有効的に働いてくれる物質。
それら成分の出所は、植物、海藻、動物、鉱物、微生物などなんですよ。
エキスという形で抽出しお化粧品に採用されています。
それらエキスはほぼ有機物ですから、放置すると、微生物や細菌のエサになりカビが発生し菌が繁殖。
空気や光があたれば怖いことにドンドン増えていきます。
例えば、野菜炒めを作ったらその日に食べて、残ったら常温でおいておくと傷みますから冷蔵庫に入れますよね。
冷蔵庫に入れたとは言えその野菜炒め、1か月後食べられるでしょうか?
防腐剤や殺菌剤などを入れていないお化粧品は、お料理とさほど変わりがありません。そのままにしておくとたちまち悪くなってしまうのです。お料理と同じように冷蔵庫に保管しても限界があるのです。
「防腐剤」「殺菌剤」「酸化防止剤」「保存料」「防カビ剤」などが添加されている理由はココにあります。
それらが含まれていないと、たちまち腐ります。栄養価の高いエキスがいっぱい入っているから当然なのです。
「防腐剤」とは
お化粧品の製造段階から私たちの手元に届くまでの間に微生物が繁殖しないようにし、さらに、私たちが使っている間に微生物が入ってきたら、増殖しないように働く薬剤を防腐剤と言っています。
クリームなどお求めになると小さいスパチュラが入っていますよね。
指でクリームをガッツリとっちゃうと、自ら雑菌を注入するコトになるので、
「指入れないで下さいね、スパチュラ使って下さいね。
お肌に負担にならない程度ギリギリの防腐剤しか入れてませんから、積極的に菌繁殖させないで~~~!」
と言うメーカーさんからの懇願スパチュラなんです。
一般的に販売されているお化粧品のほとんどは、封を開けなければ数年間腐りません。
もし、開封前3年以内に傷んでしまう場合は、使用期限を明記するよう法律で規制されています。
お化粧品の「防腐剤」としてポピュラーなのは、
パラベン、フェノキシエタノール、安息香酸、デヒドロ酢酸Na、ヒノキチオール、レゾルシン、ローズマリーエキス、クオタニウム-73など。
パラベンや安息香酸、デヒドロ酢酸Naは、旧表示指定成分なので、多くの方がナーバスになるのはごく自然なこと。
旧表示指定成分とは
1980年に「アレルギーなど皮膚トラブルを引き起こす恐れのある成分」として厚生省(現厚生労働省)が薬事法で化粧品会社への表示を義務づけた成分のことです。
2001年4月1日の薬事法改正前までは、102種類(香料を含めて103種類)の成分を厚生大臣が「表示指定成分」として製品に表示することが義務づけられていました。現在はこの制度に代わって「全成分表示」になっています。
防腐剤として、フェノキシエタノールやローズマリーエキスを採用しているお化粧品の方がイイのかも?と思ってしまうのも頷けます。
ですがその真相は、ちょっと違うんです
微生物や雑菌は様々な種類が存在し、フェノキシエタノールやローズマリーエキスでは不完全な場合もあるのです。
不完全という事は劣化してしまう訳ですから、濃度を高くして防腐剤の役割を果たす必要が出てきます。
防腐剤である以上、発生する雑菌を殺すものでないと意味がない。
雑菌を撃退してしまうという事は、毒性がもちろんあり、
「濃度を上げれば、皮膚に対して刺激が大きくなる」
と言うもどかしい方程式が成立。
お化粧品によく配合されているパラベン。
パラベンと言っても実はたくさんの種類に分かれています。
メチルパラベン
エチルパラベン
プロピルパラベン
イソプロピルパラベン
ブチルパラベン
イソブチルパラベン
ベンジルパラベン
上から順に下へ行けば行くほど毒性が高くなりますが、防腐効果も高くなります。
メチルパラベンやエチルパラベンは、目薬や子供の飲み薬など医薬品にも使用されています。
化粧品が変性、腐敗し、消費者に被害が及ばないように「防腐剤であるパラベン」を添加するのですが、化粧品への使用濃度上限は1%と規制されています。
1種類のパラベンを添加するより、複数種入れた方が全体のパラベン濃度を下げられると言っている研究者もいます。
現在、化粧品業界ではパラベン濃度0.1%と規制の1/10程度がスタンダード。
たった0.1%で防腐されるの?
と思ってしまいますが、パラベンの場合はちゃんと効果を発揮しているそうです。
また、
パラベンだけで防腐していないお化粧品もあるのが、これまた事実。
エタノールも殺菌消毒してくれます。
BG ⇐コレよく見かけますよね?
保湿剤なのですが穏やかな防腐効果を持ち合わせています。
グリセリンだってすこ~しだけ防菌します。
と言ったように、各メーカーさんは工夫を凝らして
皮膚刺激を抑え、かつ腐らないようにと切磋琢磨しているのです。
1回使い切りアンプルにする、エアーレスの容器にする、
それらもメーカーさんの努力の賜物ですね。
マイトリ取扱い化粧品は、「メチルパラベン0.1%」配合のタイプがほとんどで、
中には、メチルとプロピルというように2種含んでいる物もありますが、
メチルが水溶性でピロピルが油溶性のパラベンという特性があり
お化粧品の水分と油分のどちらにも対応しながら濃度は低い処方をとっています。
フェノキシエタノール
こちらは、パラベンに抵抗を感じる消費者の声を反映させて現れました。
化学的に作られているタイプもあれば、緑茶やザクロなどから抽出したものもあります。
微生物、雑菌は様々な種類が存在しますが、それら全てをカバーできないのが
フェノキシエタノール。。。残念。。。
防腐効果が低いので、たくさん入れないと防腐剤として成り立ちません。
パラベンと比較すると約3倍以上含有させなければ効果がないと言われています。
先ほども触れましたが、
防腐剤は、雑菌を殺してしまうものですので毒性がある。
例の方程式、「濃度を上げれば、皮膚に対して刺激が大きくなる」。
人体にとっては負荷がかかるのです。
フェノキシエタノールだけで防腐しようとすると
高濃度になり、かえって皮膚刺激が大きくなってしまうのです。
ですので個人的には、
フェノキシエタノールしか含まれていないお化粧品は避けています。
近頃は、ご自分でお化粧品を作って楽しんでいる方もいますが、防腐剤を入れていない場合は数日のうちに劣化し雑菌が繁殖しています。
気が付かないで使用すると、トラブルスキンの元になりますから注意が必要ですヨォ。
それとですね、化粧品のパラベンを気にするのも分かるのですが、
もう一つ忘れてはならない重要なお話
世界保健機関WHOで決められているパラベンの1日摂取許容量は、
1Kgあたり1~10mg
例えば、体重50Kgの人だと、1日あたり50~500mgが許容摂取量です。
加工食品に添加されている防腐剤の代表格は
「安息香酸」「保存料」。
お買い物行く時、気にして見て下さい。明記されています。
ちなみに
食品や清涼飲料水には、1kgあたり0.1g(0.01%)までと決まっています。
化粧品の使用量の例えで、真珠粒やコイン量などという表現がされていますが、
真珠粒大=約0.5g
1円玉硬貨大=約0.5ml
と化粧品業界では捉えています。
ところで、使用している基礎化粧品類はいくつありますか?
朝
①洗顔料⇒②化粧水⇒③クリーム⇒④日焼け止め⇒⑤ファンデーション
夜
①クレンジング⇒②洗顔⇒③化粧水⇒④美容液⇒⑤オイル
上記の例えで考えると、
朝5種類以上、夜も5種類前後の化粧品を使用しますね。それらの各お化粧品に防腐剤は入っています。
1アイテムに含まれるパラベンは上限が1%です。
メーカーさんによっては低い濃度で処方していると前述しましたが、アイテム数が増えるといかがでしょうか?
リップクリーム、口紅、アイシャドー、チーク、アイブロウペンシル、アイライン、マスカラ、フェイスパウダー、
シャンプー、トリートメント、ヘアームース、ヘアジェル、ハンドソープ、ボディソープ、入浴剤、歯磨き粉、マウスウォッシュ、ハンドクリームなどなど
使っていませんか?
私たちは、化粧品だけで1日100~200mgほどのパラベンをぬっていると言われています。
医薬品にもパラベンは含まれ、
パラベンと同種の安息香酸は、加工食品に入っていますとお伝えしました。
清涼飲料水や醤油、果実ソース、シロップ、加工食品などじゃんじゃん摂っていませんか?
気にせず生活していると、WHOの1日摂取許容量をオーバーしかねませーーーん。
日々知らないうちに防腐剤をたくさん身体に取り込んでいる可能性があるのです。
全体でどのくらい防腐剤を使ってしまっているかをチェックしてみて下さい。
ライフスタイルは皆さん様々。
防腐剤が含まれていないお化粧品しか使いたくない!と思ったら、
使用期限がとても短くなりますが、そういうメーカーさんも存在しています。
或は、情報公開に応じる会社もありますので
防腐剤として何が使われ、濃度はどの程度なのかお問合せするのもイイですよ。
低濃度の防腐剤を目指している会社を選ぶのもおススメです。
気に入っているスキンケアを変えるのって気乗りしないと思いますし、
お肌が弱いと、切り替えってすごく勇気がいるコトだと理解しています。
まずは、
入浴剤にパラベンが入っていたら、お塩やアロマの精油に変えてみる。
もし、ボディソープに防腐剤が入っていたら、シンプルな固形石ケンに変えてみる。
お口に入れる物として、「安息香酸」「保存料」と書かれている食品を控えてみるだけでもイイと思うんです。
お顔に使うスキンケアだけにとらわれず、変えられそうなトコロから始めてみて下さいネ。
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